れのむ的考察

国立大の理系博士学生がよろずのことについて考えるブログ

「先延ばし癖」は悪か?

こんにちは。れのむ(Reno-mu)です。

 

今回は、「先延ばし癖」について考えてみたいと思います。私は、テスト勉強や課題レポート、プレゼン資料、 申請書に至るまで、締め切りギリギリにならないと本腰を入れて始められないという悪しき癖を持っています。

「悪しき」と書いていますが、ここでは一度頭をリセットして、先延ばし癖は本当に悪いのか、またどのように対処するべきかについて、自分なりに考えてみます。

 

 

先延ばし癖とは

①時間があるのに、②やらなければいけないことを先送りにする癖。

 「~したいけど時間がない(=①)」「~しなきゃなあ(=②)」などと日常的につぶやいているならば、この癖に当てはまる。

 

この記事では、「先延ばし癖」は悪か?について考える。

結論:先延ばし癖は悪ではない。が、私は直したい。

私が導き出した結論。先延ばし癖は悪ではなく、直さなくても問題ない。ただし、私はいくつかの理由のため、直したい。

この結論に至った経緯を、先延ばし癖のメリット・デメリットを見ながら追っていこうと思う。

メリット

  1. 締め切り直前の作業量は膨大だが、結果的に短い時間で終わる

  2. ギリギリの作業に慣れると、急なタスクへの対応力がつく

  3. 締め切りを守り続けてさえいれば、周囲からの評価は案外高い(かもしれない)

意外に良い面があるのが厄介。癖が直っていなくても、生活に致命的な問題は起こらない。

デメリット

  1. 締め切りに追われて作ったアウトプットは所詮たいしたものではない

  2. 常にクラッシュのリスクにさらされている

  3. 締め切りのないタスクが常に後回しになる人生を歩むことになる

3番目は特に、デメリットとして非常に大きなものである。しかし、実害が生じるのが未来であるということが難しい。つまり、目の前のものを見続けている限り、このデメリットは意識しづらい。

私が先延ばし癖を直したい理由

  • 直れば絶対今よりパフォーマンス上がるはず

  • 締め切りのないタスクに取り組んで、この先の人生を豊かにしたい

締め切り直前の自分が、普段よりも高いパフォーマンスを発揮できていることは自分でもわかっている。このパフォーマンスの高さ、締め切りに駆け込むためだけに使うのは確実に損をしている。

それに、デメリットでも書いたが、締め切りのないタスク、主に人生を長い目で見たときに習得したい能力や思想に関する勉強や活動が、軒並み後回しになっている。先延ばしモードになっているときは、このような重要度の高い活動でさえも面倒くさく感じる。これはどう見ても残念。 

対処法を考える前に

直すには、具体的な対処法が必要である。具体的な対処を考えるために、そもそもなぜ先延ばしにしてしまうかを考えなければならない。

なぜ、先延ばしにしてしまうのか

  • 基本的に、先延ばしにするタスクは「面倒くさい」
  • 何だかんだいつも期限内に終わっていて、一定の評価を受けている

私にとってはこの2点に尽きる。私は面倒くさがり屋である。やるのにエネルギーを要するタスクは面倒くさいから、可能な限り先延ばしにしたい。代わりに、エネルギーをほとんど使わず楽しめるネットサーフィンをしよう。

そうして、私はタスクを後回しにしがちである。

だが、締め切り直前になったタスクでも、私はほとんど締め切りクラッシュをしたことがない。そして(運の悪いことに)、案外まあまあの評価を受けてしまうのだ。そのため、自らを省みることがあまりない。

これを繰り返すうちに、先延ばしが癖になってしまった。

書いているうちに、やっぱりこのままでもいいかなとも思えてくるが…

忘れてはならない前提:対処は必要である

上でも書いたが、このままでは今後の人生に悪影響を及ぼすため、直すことは必要だ。私は人間の心理学のようなものには明るくないが、「癖を直す」には「その人に合った方法」が必要だと思う。だから、自分の性格に合わせた対処法を考える。

具体的な対処法

先延ばし癖を直すと良い人生が待っているということは、頭では分かっている。しかし、そのためには大きなエネルギーが必要だ。だから面倒くさい。

ここで私というものを見つめ直す。飽きっぽい私でも、「エネルギーが必要なのに、長く続いていること」がいくつかある。

それらには共通点がある。

  • 毎回毎回、違うストーリーが展開される
  • 適度に難しく、頭を使う
  • うまくいくと心地よい

エネルギーを投下しつつ続けるためには、少なくともこの条件は満たさなければならないということかもしれない。

個人的鍵:自然科学になぞらえる

ここに至って、私は、「癖を直す」という人間臭い課題の対策に、「化学反応」という自然科学的な発想を組み合わせることにした。

 

今回の例では、癖を直すという反応の活性化エネルギーを下げる「触媒」が対処法にあたる。一般に、反応に有効な触媒を探すには、求める性質を持ちそうな触媒を片っ端から試す。それと同じように、効果的な方法が見つかるまで、思いつく限りの対処法を試し続けよう、というのが私の答えだ。

 

これだけ語っておいて、「うまくいくまで試す」が答えかと、期待外れだったかもしれないが、ただ試すのとは少し違う。

試した方法がうまくいかなかったとき、人は意外と「ならばどんな方法でも無理なのだ」という結論付けをしがちだ。

しかし、触媒探索の研究では、場合によっては何万種類というオーダーで試すと聞く。また、うまくいかなかったときも、「この方法はうまくいかない」ということが「新たにわかる」。

この発想でいれば、癖を直す方法を考え、何度となく試し、失敗していくことで、自分の性格について「効果のない方法」がわかっていく。これは私にとって興味深い。

しかも、うまくいかなかったとき、私には非はない。なぜなら自然の摂理であるから。ただ次の方法を試せばよいだけである。

試してみる

実はこの記事を書いている今も、まだ期限に余裕のあるタスクをいくつか先延ばしにしている。今回せっかく考えたので、この癖を直すためにいろいろ試していきたい。誰かの参考になるかもしれないので、備忘録の意味も込めて思いついたことを書いておく。

  • 先延ばしを直したら将来プラスになるというイメージをもっと具体的に考えてみる
  • 締め切りギリギリに作った作品(文書、スライドなど)が低クオリティーであることを確かめ、省みる

これ自体を先延ばしにしないように、試していきたい。